「悲しみの忘れ方 Documentary of 乃木坂46」：娘を持つ親としては涙無しには観られません：ぶんじんのおはなし：So-netブログ

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「悲しみの忘れ方 Documentary of 乃木坂46」：娘を持つ親としては涙無しには観られません　[映画の感想] [編集]

★ あらすじ

アイドルグループ乃木坂46初のドキュメンタリー映画である。2011年に約四万人の中から選ばれた彼女たちが辿ってきた四年間を、本人たちだけではなく、彼女たちの母親や家族の言葉も合わせて振り返っている。ナレーションは常に「母の声」となっているので、母親が娘の歴史を語っているようなものだろうか。

選抜発表だったり、舞台だったり、ライブ・コンサートだったりの場でカメラを回した、文字通りのドキュメンタリー映像がある。そして、彼女たちがインタビュー形式で語っている場面がある。さらには自分の故郷に里帰りし、実家を尋ね、母校を訪れるシーンもある。

最初に登場したのは生駒里奈。デビューから五枚目シングルまでセンターをつとめ、最新作でまたセンターに返り咲いた。各種メディアにも「乃木坂46の顔」として多数出演し、知名度は一番だろう。
そんな彼女が子供の頃（と言っても、今でも十九歳の少女なのだが）を振り返って語る。「小学校に良い想い出は何もない。大嫌いだった」と吐き捨てるように語る彼女。いじめに遭っていたのだ。しかし、親に心配させまいと、家では平静を装っていた。そんな彼女が乃木坂46のオーディションを受けるに至った経緯やその時の心情が語られるが、本人の苦悩もさることながら、ナレーションで語られる母親の気持ちに心揺さぶられてしまう。

芸能人に付きものの、スキャンダルの話も出てくる。週刊誌にスキャンダル記事が出てしまった時、グループの仲間たちに泣きながら「報告」をする姿は痛々しい。そんな場面もちゃんと“記録映像”が撮られている。そして、それを振り替えって語る今の姿も然り。

★ キャスト＆スタッフ

出演：乃木坂46
監督：丸山健志
企画：秋元康

★ 感想

ファンとして観に行った訳だが、見ているとどうしても親目線になってしまう。そして、母親の言葉にはついつい涙腺が緩んでしまう。
それにしても、今、こんなにもキラキラと輝いている彼女たちなのに、意外と苦労してきたんだなぁと思ってしまう。いじめられっ子だったり、引きこもりだったり、経済的な面で生活に苦労していたり、今の華やかさからは想像できない話が一杯だった。

でも、暗い話ばかりではない。そんな彼女たちが夢を追い求めていたり、この場に入ってきたことで新たな夢を見つけたりしている。色々あるけど、やっぱり彼女たちはチャンスを掴んだ、そして夢へと近づくことができた選ばれたメンバーなんだなと納得。もちろん、運もあるだろうし、当然、自分の努力の成果でもあるだろう。
“大人たち”に利用されているだけだ、と言う見方もあるだろう。だが、生駒里奈の「芸事を究めたいからこの道に進んだ」と言う言葉からは、そんな思惑をも踏み台にして自分の夢を掴もうとする彼女たちの強さが感じられた。
いやぁ、それにしても本当に良い娘たちだ。そして強い。感心することしきり。

ただ、この映画でもインタビューを受けたり、映像に出てきたりするのは一部のメンバーのみで、全く名前も出てこない子も一杯いる。競争社会に生きる彼女らは大変だ。「アイドルの裏を描いた」と説明されているこの作品だが、さらにそこにも描かれない、“裏の裏（裏の奥の奥？）”がまだまだあるのだろう。
ちなみに、私のお気に入りの伊藤万理華さんはきちんとインタビューを受けてました。

流石に乃木坂46のことを全く知らないと観ても“良くある話”で終わってしまうだろうから、万人にお勧めできる作品ではない。でも、ファンならばぜひ。そして、自分の子どもが「芸能界に入りたい」「アイドルになりたい」と言い出すんじゃないかと思っている人にも、その時の心構えを学ぶために観るべきでしょう。