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東京ステーションギャラリー「学芸員とお散歩「東京駅探訪セミナーツアー 【歴史編】」に参加:東京駅はラビリンスだ [美術 : 美術展、写真展紹介]

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★ 展示内容

東京ステーションギャラリー - TOKYO STATION GALLERY -で行われている「東京駅開業百年記念 スペシャル・オープン・ウィーク : 駅の美術館で楽しむ13日間」の関連イベント「学芸員とお散歩「東京駅探訪セミナーツアー 【歴史編】」に参加してきました。簡単に言うと、東京駅の中をうろうろして、その歴史的なアイテムを観て回ろうというもの。鉄道博物館学芸課長さんが解説をしてくださいました。
以下、学芸課長さんの説明から。

東京ステーションギャラリー - TOKYO STATION GALLERY -は東京駅丸の内口の、あの建物の中にあります。北口側。入り口は一階で、二階・三階が展示スペースになってます。創建当時の東京駅の煉瓦塀やらなんやらがそのまま使われていて、建物自体が美術品というか歴史的建造物なのです。
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まずは外観から、と言うことでみんなでぞろぞろと外に出ます。
東京駅の基本的な作りは、南口側が入り口で、北口は出口と、それぞれ専用になっていたそうです。そして、真ん中は皇室のみなさん用。当時、八重洲側はそこそこ栄えていたのですが、丸の内側は何もない場所。でも、皇居に面した側に駅舎を作り、その真ん中に皇室用の出入り口をしつらえたんです。
この基本構成は最初、ドイツ人建築家によって設計されたもの。ただ、彼の案は外観を純和風にしようというもので、当時の「欧米に追いつけ・追い越せ」の流れに合わずボツに。その後、基本構成はそのまま踏襲しつつ、外観を今のものに整えた辰野金吾が引き継いだのでした。
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そんな東京駅も、ご存じの通り、戦災によって焼け落ちています。特に三階部分がひどくて、これまでは二階建てでしたよね。三階部分が再建されたことを示すかのように、煉瓦の色が違っているのが分かります。
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そして次は東京駅の中へ。久しぶりに入場券を使いました。
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向かったのは五番線(山手線外回り)・六番線(京浜東北線〈大船方面〉)のホーム。なんとこのホーム、東京駅開業当初からあるホームをそのまま使っているんです!いや、知らなかった。
階段(の壁)も当時のまま。言われてみれば確かに、このタイル貼りはかなり年季が入ってます。
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柱や屋根もよく見ると当時のものがそのまま残っている(使われている)部分が。お洒落な装飾が施されていたり、
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製造年が書かれていたりするものが残っているんです。ほほぉ、なにげに通り過ぎていたホームに、こんな歴史的遺構が隠されていたとは。
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こちらは階段下の柱。確かに、立派な石造りだ。
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とはいえ、さすがに老朽化も目立ってきたので、来年早々には改修してしまうとか。この姿が見られるのも今のうち。チェックしたい人は早めにどうぞ。
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次に向かったのは東京ステーションホテル|TOKYO STATION HOTEL。特別に内部を見学させてもらいました。
こちらのホテルは東京駅の中にあり、ドームを取り囲むように部屋が配置されていて、間近でその装飾を見ることができるんです。普段は宿泊客しか見られない景色を見ることができました。しかも、ボーイさんの解説付き。
いやぁ、お洒落なホテルですねぇ。駅を行き交う人を見下ろしながらのんびり過ごすのも良いものでしょう。もちろん、客室用の窓は防音仕様になっているので、騒音は聞こえずに景色だけを楽しめるようになってます。
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戦争で焼けてしまったこの建物。戦後、零戦用に精錬されていたジュラルミンを使ってドームの天井として応急処置を施したまま、近年の復元までその形で使われていました。当時もちゃんと復元をしたかったんですが、GHQが「贅沢なのはダメ」と言って、させてもらえなかったのだそうです。
そして平成の世になってやっと復元したのですが、当時の資料があまりなく、かなり苦労したとか。例えばこの壁の色も、当時の写真はモノクロだったので正確なところは不明。当時の他の建物やらなんやらを参考にしてこのように再現したそうです。また、十二支の干支をモチーフにしたこの飾りも、不鮮明な写真しか残っていないために、創作部分もあるようです。
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ここで"探検"は終了。あとは東京ステーションギャラリー内の展示を見学。
あの、東京駅の建物全体を使ったプロジェクションマッピングの"模型"が見られます。実際のイベントの際に作った模型だそうで、これで"リハーサル"を繰り返し、本番に臨んだのだそうです。
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ここは建物自体、見るべきところが多いですね。
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壁の煉瓦の一部が黒いと思ったら、それは焼けて炭になった材木。なんと、空襲による火災で燃えたものがそのまま残ってます。まさに歴史の生き証人。
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建設時の職人さん達と記念写真を撮れるコーナーもありました。このメジャー、単位はフィートなのかな。それとも尺貫法の尺?どっちも30cmくらいだからよくわかりませんね。まあ、いずれにせよ、かなりカメラ目線のこの方とツーショットもいい記念になるでしょう。
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ということで、イベント終了。東京ステーションギャラリーも初めてでしたが、東京駅の"秘密"も初めての話ばかり。一時間の、駆け足のツアーだったんですが、とっても楽しめました。いやぁ、面白かった。
それにしても以外と歴史的なものが身近にあるものなんですね。気をつけてみていれば他にもあるのかな。

★ 美術展情報

東京駅開業百年記念 スペシャル・オープン・ウィーク : 駅の美術館で楽しむ13日間」展は下記の通り、開催中。でも、今週末(11/30)で終わってしまいます。

次回の企画展(下記)が12/13(Sat)から始まります。こちらも関連したイベントです。
  • タイトル : 「東京駅100年の記憶」
  • 会期 : 2014/12/13(Sat) - 2015/3/1(Sun)
  • 開館時間 : 10:00-18:00 金曜日は20:00まで開館
  • 休館日: 月曜日 (祝日の場合は開館・翌日火曜日休館)、年末年始(12/29-1/1)
  • 料金 : 一般900円 大学生・高校生 700円 中学生以下 無料
  • 公式サイト : 東京駅100年の記憶






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コメント 2

JUNKO

ちょうど去年、この辺り見てまわりました。今年だったらもっと楽しめたのですね。
by JUNKO (2014-11-29 11:15) 

ぶんじん

JUNKOさんへ:
12月で開業百周年だそうです。記念行事はまだあるようなので、次回お出での節はどうぞ。
by ぶんじん (2014-11-29 21:22) 

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