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「イタリアの印象派 マッキアイオーリ展」 [美術 : 美術展、写真展紹介]

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久しぶりに目黒の東京都庭園美術館に行き、「イタリアの印象派 マッキアイオーリ展」を観てきました。

今、ローマ帝国に関する本を読んでいるんですが、近・現代のイタリアに関してはほとんど知らないし、ちゃんと勉強したことがないかも。当然、「マッキアイオーリってなに?」という感じでした。そんな風に、なんの予備知識もなしに観に行ったのですが、見終わったときには「こりゃ、面白い時代だったんだなぁ」と好印象。ちょっと勉強したくなりましたよ。
マッキアイオーリとは、1860年代頃のイタリア・トスカーナ地方の画家グループの名前。印象派の先駆け的存在だったそうです。確かに、作品を観ると、トスカーナ地方の光溢れる農村風景がまぶしいくらいに描かれていて、点描的手法が使われています。その点々やパッチのことをマッキ(macchie)と言うそうで、そこから名付けられたグループ名。
日本で言うと幕末から明治にかけての激動の時代。世界に門戸を開こうとしていた時ですね。その頃のイタリアは別の意味でイタリアとしてのアイデンティティを確立しようとしていた時代でした。小さな王国(サルディニア、ナポリ、そしてローマ教皇領など)に分かれていたのですが、これを統一しようという政治的動きが活発となり、混乱の末にイタリア王国として1861年にそれがなされました。マッキアイオーリの画家達は、そんな統一の動きにシンパシーを感じ、イタリアの風景を愛してそれを表現していくことで一つの流れをもたらしたのだそうです。

と、時代的背景はなかなか魅力的。しかも、マッキアイオーリに関する研究も最近になって活発化してきたそうで、今回の展示作品も日本初公開のものばかりだそうです。私も、本物はもちろんですが、テレビや本などでも見たことないものばかりでした。それらの作品は「イタリアの印象派」と言われるだけあって、まさに光に溢れた印象的な作品が一杯。トスカーナ地方がどんなところか知らないのですが、草原に吹く風や、陽の光を浴びてのんびりと草を食べている白い牛など、その場の雰囲気が作品からとてもよくわかりましたよ。なにせ、初めて聞く名前の画家ばかりなので、細かく説明はできないのですが、観ていて気持ちよくなれるのだけは確か。私が行ったときはまだ冬の寒さの中でしたが、気分だけはもう初夏の爽やかさに包まれました。
うまく説明できないのですが、面白かったですよ。おすすめです。

会期:2010-01-16(Sat)~03-16(Sun)
休館日:第2・第4水曜日
入館料:一般1,000円 (写美の友の会会員だと800円ですよ!)


東京都庭園美術館は建物や庭を観る楽しみもありますね。
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茶室や日本庭園もありますよ。梅がきれいに咲いていました。
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コメント 5

Ranger

さすがに庭園って付くぐらい
お見事な庭ですねぇ
素晴らしい形の梅に、石灯篭 池の組み合わせが又良いですねぇ
by Ranger (2010-02-27 13:03) 

TaekoLovesParis

会場入り口やお庭の写真、すてきですね。
庭園美術館は、私も大好きな場所です。
by TaekoLovesParis (2010-02-27 23:18) 

ぶんじん

Rangerさんへ:
華族のお屋敷だった訳ですからねぇ。さすがです。次回はこの建物自体が公開され、中の写真撮影もできるんですよ。楽しみです。

TaekoLovesParisさんへ:
散歩にぴったり。私もちょこちょこ通っている、お気に入りの場所です。
by ぶんじん (2010-03-03 21:50) 

enmiho

庭園美術館、ちょっと行ってみたいです♪
by enmiho (2010-03-05 22:36) 

ぶんじん

enmihoさんへ:
3/25-4/11で建物内部の公開展(美術館の建物自体が展示品)がありますよ。これ、おすすめです。
by ぶんじん (2010-03-07 09:40) 

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