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「GIRLS REVUE」新年最初に相応しい華やかな歌とダンスと、Memento moriという意味も含んだ舞台でした [演劇の感想]

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★ あらすじ

ネタバレありです。

遙か昔のどこかの王国。王様には双子の娘がいた。ノエルとソニアは双子と言っても容姿は似ていないし、性格も正反対。そのためか、国民の間ではどちらかが本当の子どもではないと噂するものも。双子の王女達はそんな境遇に苦しんでいた。そして、彼女たちが成人した時、どちらか一方が国を継ぎ、残りは城を出て行かねばならないことになる。悩んだあげく、二人は一緒に無に身を投げる道を選んでしまった。
そして、それは二つの魂が永遠の不遇を背負う運命を追うことにもなってしまったのだ。

ある時代では、怪盗ネヴィルと刑事スコットとして追いつ追われつの関係になる。ある時にはサバンナを駆け巡るシマウマと、シマウマをハンティングするライオンとして“再会”する。また次の時代では、火星人カップルとなったり、大正ロマンの時代には貧乏小説家と金持ちの娘になったり。
そして、女子高生として出会った直海と音廻。転校生としてやって来た音廻には“過去”の記憶があった。この出会いは二人を不幸にすることも知っていたのだ。そのため、彼女は自ら命を絶つ。直海には幸せな人生を送って欲しかったから。。

悲劇とバッドエンドの運命を背負ってしまった二つの魂の輪廻転生の物語。二人は自らの運命を断ち切り、悲劇を終わらせることができるのだろうか。

★ キャスト&スタッフ


★ 感想

ストーリーは切なく、悲しいんだけれど、Revueということで歌ありダンスあり芝居ありの楽しい舞台。思った以上に楽しめました。歌の上手なメンツと言うことで事前の期待もあったけど、それを超えてました。我が愛する乃木坂46のメンバーは誰も彼も芸達者で、いつも期待を裏切ることがない。

輪廻転生の物語というと、三島由紀夫の晩年の作「豊穣の海」を思い出す。あちらは、次々と転生を繰り返す主人公と、それを傍らで見届け続ける男の物語だったが、今回の舞台は二つの魂が同じ時代に転生を繰り返し、再会をするものの、最後は悲劇となってしまう話だ。どちらも、業(ごう)や運命に抗う命の営みがテーマだろうか。分かりにくそうなテーマなのに、ショートストーリーが続くと、自然と理解でき、共感もしてくる。なかなか良くできている。
そして、ストーリーではちょっと涙を誘う感じではあるが、反面、歌とダンスのシーンは華やかだ。選曲が良かった。エディット・ピアフの「愛の賛歌」やら、美空ひばりの「お祭りマンボ」、小泉今日子の「なんてったってアイドル」に松田聖子の「青い珊瑚礁」などなど。曲の持つ魅力も相まって、各シーンが一気に華やかになる。

この四人は、「「墓場、女子高生」 人の死を受け入れ、自分の中で昇華させること。それは誰もが体験しなければならないこと」で紹介した舞台でも共演していて、その後もそれぞれに舞台経験を積んでいる。歌も上手いし、コミカルな演技もできるし、そしてみんなとにかく可愛い。途中、客席から登場して歌うシーンもあるんだけど、伊藤 純奈さんが目の前で歌ってくれたのは感動。煌めく美少女って感じで、輝いていましたよ。

華やかさ・楽しさという意味でも、冥土の道の一里塚・Memento moriという意味でも、新年最初の舞台に相応しい内容でした。今年も彼女たちの活躍に期待できそうです。

★ 公演情報


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