「宇宙は何でできているのか」 : 耳で聴き、素粒子論・宇宙論の総復習を [読書 : 読んだ本の紹介]
★ オーディオブックのすすめ
オーディオブックで“読んで”みました。これまで、英語の勉強にとAmazon.com (Audible.com)でオーディオブックを購入することはありましたが、日本語のは初めて。購入先はオーディオブック配信サービス - FeBe(フィービー)。mp3形式のファイルなので、どんなオーディオ・プレイヤーでも聴けるのがグッド。音楽を聴くように、満員電車でも“読書”できるのがオーディオブックの良さ。でも、理系の内容だと数式やらなんやらがネックになるかなと気になってました。それを試してみるのも今回の目的。結果、一般向けの啓蒙書的なレベルなら何ら問題ありませんでした。
宇宙は何でできているのか
- 村山斉
- 定価:1050円
★ 理学系書籍を聴く
「宇宙は何でできているのか」の目次は以下の通り。序章 ものすごく小さくて大きな世界
第1章 宇宙は何でできているのか
第2章 究極の素粒子を探せ!
第3章 「4つの力」の謎を解く
第4章 湯川理論から小林・益川理論へ
第5章 暗黒物質、消えた反物質、暗黒エネルギーの謎
あとがき
素粒子の基礎から丁寧に解説してくれています。素粒子の存在がどのように“予言”され、そして実験で発見されていったかの歴史を語っています。また、湯川秀樹博士が“予言”した「力とは粒子のやりとりだ。核子(陽子や中性子)をつなぎ止めている力の源が中間子」の考え方や、それに端を発した色々な力を媒介する粒子の話なども、順を追って説明してくれている。
そして、「4つの力」を解説しつつ、そこからさらにホットな話題に移っていく。物理学の考え方の基本に“保存則”(何らかの反応の前後で変化しない・総量が変わらないこと。電荷や質量・エネルギーなど)があるが、それが破れている実験結果が出るたびに、「いやいや、こう考えれば保存則は成り立つ」との新たな理論が出てきて、物理学は進んでいく。そして、今でも「いやいや、こうじゃないか?」と議論が続いていて、みんなが納得する理論が確立していないものも多い。それが最後の章で紹介されている話題。
この宇宙は、目に見える物質だけではなく、目に見えない“暗黒物質”で満たされているらしい。さらには、宇宙の膨張を加速し続けさせている“暗黒エネルギー”なんてものも予言されている。
このような話題は、未だに謎のままなのだ。
★ 感想
物理学に詳しい人には物足りない内容かも知れないが、そうでない人には入門書としてグッド。基本的な、歴史的な話から、最新理論・実験までをカバーしている。
最後の話題は「もうすぐヒッグス粒子が発見されるだろう」というもの。いやぁ、ホットですね。CERNから「ヒッグス粒子発見!」の話が出たのが去年の夏頃。そしてもうすぐその(詳細な)解析結果が公表される予定。その前に読んでおく(聴いておく)一冊でしょう。
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私は、理系のはしくれなのに、物理馬鹿ですから。
(--;)
読むのはなかなか……でも。
聴くなら、できるかもしれないですね!
(^^)
貴重な情報、ありがとうございます!!
by ミィシャ (2013-03-08 19:16)
ミィシャさんへ:
この一冊、元々が講演会での講義内容を本にしたものなので、オーディオブック向き。おすすめですよ。
by ぶんじん (2013-03-09 00:11)
宇宙は何でできているんでしょう。。。
カルシウムだと映画で知ったのですが。楽しそう!
by カエル (2013-03-09 09:39)
カエルさんへ:
そんな大胆な説を掲げた映画があるんですか。知らなかった。空間にカルシウムが満ちていると、ちょっと宇宙旅行もしにくそうですね。
by ぶんじん (2013-03-10 16:36)