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日興AMファンドアカデミー夜話会 第三夜 [イベント]

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日興アセットマネジメントさんの夜話会(投資に関する勉強会)に参加するのも三回目。今回でひと区切りです。
これまでの参加記事は以下の通り。
一回目:日興AMファンドアカデミー夜話会参加報告 老後の備え、さらに不安になったなぁ。。。
二回目:日興AMファンドアカデミー夜話会 第二夜 参加報告  世界経済が発展する限りファンドは大丈夫?

そして、今回のテーマは
    「何に投資するか」を決める
です。講師は前回に引き続き、汐見さん。(おっと、肩書きが変わられたようですね。。。)

まずはこの夜話会の目的を再確認。この夜話会は投資のテクニックを教えるものではなく、投資の本質を伝えるのが狙い。そのため、これまでは具体的な投資商品の話はありませんでした。今回、初めて具体的な商品を見ることになるんですが、それも商品そのものではなく、それがどういう性質のものなのか、特徴を知るにはどうすればいいのかの例示として取り上げる形でした。あくまでも「投資の本質」を掴むのが狙いですから。


最初は前回のおさらいから。
おさらいその1 : NGワードを思い出そう。
証券会社や銀行に行って、いきなり聞いてはいけない(言ってはいけない)ことは、、
   「何が売れているの?」
投資の本質を理解せずして商品を語るなかれ、と言うこと。それに、こう聞かれてすぐに商品を紹介するような店・人は信用できないと心得るべし。

・おさらいその2 : 資産運用の手順
お金を目的に応じて「3つのポケット」に分ける。
  貯蓄ポケット:生活費の数ヶ月分
  トレーディングポケット:一割から二割
  資産形成ポケット:いろいろ持つ

この中でも、「資産形成は色々取り混ぜて」というのが重要。投資の格言にも、
  「すべての卵を一つのかごに入れるな」
というのがあるそうです。一つのカゴにまとめて淹れていると、カゴを落とした時に全ての卵が割れてしまいますが、いくつかに分けておけば一つを落としても残りが大丈夫という訳。
これを実践したのが、
  財産三分法:現金(流動性)+不動産(安定性)+株式(収益性)
と言われる投資方法。昔から、これが一番、と言われていたそうです。
この考え方の基本は昔も今も変わらず、「何に投資をするか」を決める時に一番大事なことは、「いろいろ持つ」ということ。
そして、そのためには「商品選びは、最後にする」のが大事。いろいろ持つ時の、分散の仕方(割合)をまずは決めましょう、と言うことです。
具体的には、これも前回に説明があった通り、次の三つのステップで決めていけばOK。

投資資産を決めるまでの3つのステップ
1 日本と海外の比率を決める
為替リスクをどこまで負うかがポイント。新興国は成長が見込まれるものの、経済の安定性に不安があり、為替変動が大きいというリスクがあります。なんだかんだで円高だということは、世界から見れば日本(の経済)は安定している・リスクが少ないとみられている証拠なので、安心度という意味では日本国内に対する投資は基本でしょう、とのこと。

2 株式と債権とREIT(不動産)の比率を決める
景気変動に対しての、それぞれの値動きの傾向は以下の通り。
    好況   不況
株式  ↑    ↓
債権  ↓    ↑  どちらも変動幅は小さい
REIT  ↑    ↓
  
3 ステップ1とステップ2とを合成する
1.と2.で選んだそれぞれの割合をかけ算し、最終的な投資割合を算出します。
日本株式XX%、海外株式XX%、日本債券XX%、海外債権XX%、日本REIT XX%、海外REIT XX%
と、六種類の投資先割合が決まる訳です。

いろいろ持つ、のが基本と言うことで、汐見さんも色々色に染まってました。
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そして、これを決めてからそれにあった商品を選ぶことになるのです。
ここからは、日興アセットマネジメントさんの開発した商品を実際に見ながら、「商品の見方」のお勉強でした。

日興AMさんでは300種類の商品を扱っているとのこと。そこから商品を探すには、ホームページで、まずは「ファンド検索」から入ればOKとのこと。他社でもだいたい似たような感じになっているそうなので、一つ覚えれば応用が利きます。こういうのはいいですね。変なところで個性を発揮することなく、顧客視点でLook&Feelを揃えてくれるというのは。
日興AMさんのホームページでは、
  ファンド検索 ⇒ 検索条件 ⇒ 投資対象
とメニューを選んでいくと、「国内債券」だの「海外不動産(REIT)」だの、上で決めた分類に合った商品を選ぶことができます。

個々の商品ではまず目論見書を見るべし。
  交付目論見書 : 目的・特色・投資リスク・運用実績・手続き・手数料などが書いてあります。
  マンスリーレポート : より詳しく見たいときにチェック。
  運用報告書 : 売買したものがなにかなど、さらに詳しい情報が載っています。

目論見書、運用報告書は業界標準に則った内容になっているので、他社の商品でも同じ情報が得られるようになっています。マンスリーレポートは運用会社ごとに作られているのですが7、8割は同じ内容。
まずは目論見書を読んで、その商品が自分の決めた「色々」に合っているかどうかをチェックして選ぶことになります。
運用実績だけでなく、購入時・売却時の手数料や、運用管理費の割合なんかもチェックポイント。金融機関によって同じものでも手数料が変わることがあるようなので、それも比較が必要なようです。
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基本の説明のあと、ここからは心構え・注意と、諸々の情報。

「投資は合理的なもの。投資とギャンブルは違う。」
ゼロサムゲームならまだいいけど、ギャンブルは「マイナスサムゲーム」。胴元によって中抜きされるから期待リターンはマイナス。つまり、投資対象にはならない。
投資は”期待リターン”がプラス。これを勘違いしてはいけない。汐見さんの持論としては、「日本人が投資下手なのはこの辺りを理解していないから」とのこと。これは、投資と称してギャンブルに走るだけじゃなく、投資をギャンブルと勘違いして避ける人・嫌がる人が多い、という問題があるから。
確かにそんなことがあるかも知れませんね。雰囲気の話ですが、「投資で儲ける==守銭奴」的な発想、イメージがどことなく残っている感じが私もします。シェークスピアの「ベニスの商人」がいけないのか、水戸黄門に出てくる悪い金貸し(越後屋?)のせいなのか分かりませんが、そんなイメージを払拭していくためにも、正しい知識を持つ・学ぶことが大事でしょう。(ということで、この夜話会が開催されている訳です)

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投資先の概況
・ REIT(不動産投資)はまだ先進国の一部でしか確立されていない。例えば、インド、ブラジルなどはまだ流通していない。これから整備されていけば、投資先は広がっていくと期待できる。

・ 日本株式は捨てたものではない。日本は低成長だが、海外市場でがんばっている企業は評価できる。海外で利益の大半を得ている会社は、株価も上がっていくだろう。日本の円が買われている==海外からは評価されている、ということ。
「円高だから日本の産業がダメになる」と良く言われるが、そんな話はもう成り立たない。既に十年前に1ドル70円台の円高を日本企業は経験し、それ以降に業績を伸ばしているところもたくさんある。


金融機関の選び方
日興AMさんは金融商品の開発元。「小売り」はしていない。実際に金融商品を私たちが買うのは証券会社や銀行など。
自宅のそばにあって行きやすい金融機関を選ぶのもいいだろうし、既にそこのは口座を持っている金融機関をベースに探す・決めるのも良い。
ネット証券は店舗を持たない分、手数料が安いのが特徴。


参考書
投資の本質を理解し、自分で自分の資産を運用できるようになるのが理想。ということで、この夜話会は一区切りですが、その後に自習するための参考書を紹介してもらいました。

チャールズ・エリス著「敗者のゲーム」は、投資の本質理解に役立つとのこと。私も早速、amazonで”One Click”しちゃいました。積ん読本の山が一杯なので、実際に読むのはもうちょっと先になりそうですが。。。

敗者のゲーム―金融危機を超えて<原著第5版>

敗者のゲーム―金融危機を超えて<原著第5版>

  • 作者: チャールズ・エリス
  • 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
  • 発売日: 2011/02/25
  • メディア: 単行本


あと、FP(フィナンシャル・プランナー)、DCプランナー(企業年金総合プランナー)の資格のための参考書がよいとのこと。FP二級程度の知識があると、資産形成の結果が全く違ってくるそうです。資格を取ることが目的ではなく、その考え方や知識を学ぶという意味で、これらの参考書を読んでみようということです。
なるほど、これもぼちぼち挑戦してみたいと思います。

ということで、とっても勉強になりました。確定拠出年金の割合を適当に決めてしまっていたんですが、まずはこれを見直すことから始めたいと思っています。
投資、そしてお金に対して正しい知識を持つってのがやっぱり大事ですね。ネガティブなイメージを払拭することからかもしれません。亡くなった邱永漢さんも言ってましたが「子供の頃からしっかりとお金に対する勉強をすべし」ってのが必要でしょう。その点、このような夜話会を開催している日興AMさんの取り組みはありがたいことです。こういうのを中学校・高校の授業に取り入れるといいんでしょうけどね。

だんだん感想が脱線してきたのでこの辺で終わり。最後に日興アセットマネジメントに感謝。三夜にわたっての勉強会、ありがとうございました。




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TaekoLovesParis

この前の日興AMファンドの汐見さんの話の続きですね。
分散型投資が一番いいとは、長年言われてますね。
日本と海外の投資比率の話と、REITと株式の関係の話は役に
たちました。
by TaekoLovesParis (2012-10-14 19:27) 

ぶんじん

TaekoLovesParisさんへ:
基本から教えてもらえたので納得感がありました。こういう教育活動がもっと広まれば、日本人の「投資リテラシー」が向上し、経済も上向くかも知れないですね。
by ぶんじん (2012-10-14 20:44) 

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