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「世界報道写真展2008」 [美術 : 美術展、写真展紹介]

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今年も恵比寿ガーデンプレイスの東京都写真美術館で「世界報道写真展2008」を観てきました。数年前から毎年観にいっている写真展。そして観るたびに、戦争、貧困、暴力は世界からなくなることはないのだろうかと、毎年思っている。残念ながら今年もまたそんなテーマの写真がいっぱいだった。
しかも、そんな世界の状況はだんだんと複雑になってきているようだ。東西冷戦の時代には世界中がアメリカにつくか、ソ連につくかのどっちかだった(もちろん、中立国もありますが)。ある意味、わかり易い。が、今の時代は戦争・紛争の理由もわかりにくい。アフガニスタンの戦争は未だに続いていて、今回の大賞作品(上記ポスター参照)にあるように、アメリカは疲れきっている。この先どうなるのか、いつまで続くのか全く見えない。アフリカの難民は部族抗争の拡大によって生まれているようだが、なぜ一緒に暮らせないのか、争うのか見えにくい。もちろん、貧困や富の不公平な分配が原因ではあるのだろうが、ここまで殺し合いをしなければならないのだろうか。先進国と言われている国だって内なる争いが生じている。レイプを受けた子供たちは何年も、何十年もたってからやっと口を開いてレンズの前に立てた。田舎で失業率も高い村では子供たちがバイクを乗り回し、喫煙をし、未来を捨てている。
これまでは心休まる作品も多かったネイチャー系の受賞作品も、今年は温暖化の影響で住処を奪われつつある白クマや、乱獲で危機的状況にあるイッカクなどの作品ばかりだ。ふぅ。

なにかせねばいかん、と毎年のように思うが、なにもできていないことを毎年自覚させられている。うむ、私に何ができるのだろうか。と思いつつ、恵比寿ガーデンプレイスの広場に戻れば、そこは幸せな家族づれでいっぱい。風車がきれいだった。
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会期:2008年6月14日(土)→8月10日(日)
休館日:毎週月曜日
会場:地下1階映像展示室
料 金:一般 700円



World Press Photo 2008 (World Press Photo)

World Press Photo 2008 (World Press Photo)

  • 作者: World Press Photo Foundation
  • 出版社/メーカー: Thames & Hudson
  • 発売日: 2008/06
  • メディア: ペーパーバック



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コメント 4

アズサ

何年か前にこの写真展を初めて観に行きました。
ホントに、観てると辛い写真ばかりで目を背けてしまうようなものもありました。
でも、それが現実なんだよ・・・と自分にも言い聞かせるんですが
やっぱり、こんなひどい現実が地球のどこかでホントに起きてるなんて
信じられなくて。。。と、結局逃げてばかりの私・・・。

今年は、久しぶりに観に行ってみようかな。
今度はちゃんとしっかりと写真に向き合ってみようと思います。

by アズサ (2008-06-15 22:47) 

ぶんじん

アズサさんへ:
被写体となった人々はレンズを見詰めているんだろうけど、写真に写った彼ら・彼女らは私を見つめているように思えちゃうんですよ。あの視線を直視しないといけないのでしょう、まず第一歩として。
by ぶんじん (2008-06-19 23:12) 

mamire

絶対に見に行きたいと思っていたのだけれど、まだ、出かけられないでいます。
こうした報道に、ちゃんと目を向けなければと思います。
私事に色々、励ましのお言葉ありがとうございました。
今のところ平穏に過ごしています。

by mamire (2008-06-23 16:34) 

ぶんじん

mamireさんへ:
なによりです。
会期はまだまだありますし、ゆっくりとどうぞ。
by ぶんじん (2008-06-23 23:38) 

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