「スケッチ・オブ・フランク・ゲーリー」を試写会で観てきました

ブロガー限定の試写会で観てきました。

フランク・ゲーリーさんのドキュメンタリー。有名な建築家だそうですが、残念ながら全く知りませんでした。でも、この映画を観てもう忘れられない存在となりそうです。

作品の作り自体はオーソドックスで、ゲーリーさん本人のインタビューと彼の作品（数々の建築物）の紹介を中心にし、彼がどのような感じであの建築物たちのイメージを形にしていったのかを明らかにしていってます。また、彼に自宅や施設の設計を頼んだ施主たちのインタビューや”アンチ”の人の証言なども交えていて奥行きを深めている。彼を長年見てきたセラピストなんて人も出てきてなかなか面白いインタビューになっている。だが、普通のドキュメンタリーとは違ってなんとも言えない温かみが全体からあるのが不思議。その秘密は、この映画の監督がゲーリーさんの友人だからなのでしょう。インタビューの時、監督自らがハンディカメラを持ってゲーリーさんを撮っている。彼はカメラに向かってというよりも友人に向かって楽しく談笑しているのだ。その柔らかさが伝わってくるのだろう。

さて、彼の作品だがこれも知らないものばかりだったけど、それこそ一度見たら忘れられない存在感のある建物ばかりだ。不思議な曲線や変に傾いた壁や屋根。なんとも座りが悪い。だが、それがいいんだと彼は言ってのける。施主から細かい注文を聞いたりはしない。雑談のような会話の中から、施主の気持ちをくみ取って形にするのだそうだ。ボートが好きで、川を船で上って行ったらその先にこの建物が見えてくるのが夢だ、なんて語った施主に対しては、なんとその船の帆をイメージした形のビルを作ってしまった。これ、文字では説明できないので映画を見て確かめてもらいたいんですが、白い擦りガラス（？）で外壁を覆っていて、それが風を受けた帆そのものなんですよ。帆布のように見えるビルの外壁なんて初めてだ。

そんな感じで彼の作品を見て衝撃を受けたんですが、彼自身のキャラクターにも惹かれちゃいました。フランク・ゲーリーさん、元はフランク・”ゴールドバーグ”さんだったのに学生の時に改名したとか。その理由が、当時の奥さん（その後、離婚）がその名前を嫌ったからだと、けろっとした調子で語っているんですね。よっぽど惚れていたんでしょうが、なんとも弱いやつ！とても世間の誹謗や悪評をはねのけて自分の建築へのスタイルを守っている人とは思えません。それに、本業の建築プランを考えている時も、弟子（パートナー？）のお兄ちゃんから「その赤、どぎつ過ぎます！」なんて言われてにこにこしながら許しちゃう、人のいいおじちゃんキャラ。なんとも憎めない人ですね。

６月２日から渋谷Bunkamura　ル・シネマなどで公開とのこと。ミニシアターにはぴったりの佳作だ。建築家のドキュメンタリーという、どちらかというと堅いイメージがしてしまうテーマだが、そんな感じで何とも柔らかく温かいホンワカした映画なのだ。BGMにはクラシックの曲が多く使われていて、雰囲気もぴったり。癒し系（？）ドキュメンタリーというところでしょうか。おすすめです。

今日の試写会は表参道の裏の方（裏原ってのはこの辺りのこと？！）にあるパーティー・スペース。こういう場所での試写会って初めてだったけど、映画の雰囲気に合ってなかなか良かったですよ。そうそう、ゲーリーさんがデザインしたという段ボール製の家具も飾られていて演出もなかなか。気分よく観られました。

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映画のホームページはhttp://sketch.cinemacafe.net/

ちなみに、試写会が行われたのはcopon norp

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フランク・O・ゲーリーとMIT ステイタセンターのデザインと建設のプロセス

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コメント 3

僕も建築の会社もしてて、一時建築デザイナーも目指していました＾＾
でも、建築家ってすばらしい建物を残せたり、カッコもいいけど
凄い責任と重圧感、多忙と、大変なお仕事ですよね
by RangerMaeda (2007-05-20 10:18) 

有名な人なんですねー。（検索して調べてみました）
建築家の人とはけっこうつきあいがあるんですけど、全然知りませんでした。
ぶんじんさん、建築とかお好きなんですか？
by kom (2007-05-20 10:22) 

Rangerさんへ：
へぇ、Rangerさんも多彩な方なんですねぇ！
なんじゃこりゃ？って形なのにちゃんと建築基準を満たさねばならないんでしょうから、普通よりもずっと大変なんでしょうね。

komaさんへ：
歴史的建造物が好きでちょっと本を読んだりしてる程度です。でも、散歩の途中で目をひく建物を見つけると楽しいですよね。

u-kさん、Krauseさんへ：
niceをどうも！
by ぶんじん (2007-05-20 21:54)