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ブラッサイ--ポンピドゥーセンター・コレクション展 [美術 : 美術展、写真展紹介]

恵比寿ガーデンプレイス東京都写真美術館に「ブラッサイ--ポンピドゥーセンター・コレクション展」を観にいってきた。この写真展で初めて知ったのだが、ブラッサイさんは戦前から戦後にかけてパリの街を撮り続けた人で、写真だけでなく、彫刻や素描などもこなした芸術家だそうだ。本人はあくまでもアマチュアであることにこだわりを持っていたようだが。
パリの街を写した写真だが、ちょっと普通のと違っている。夜の街ばかりを写しているのだ。月明かりだったり、街灯だったり、そんな光の中に浮かび上がる風景、人物は、半分は闇に包まれていることも多く、昼間とはまったく別の”顔”を見せている。でも、それがむちゃくちゃかっこいいのだ。そう、「かっこいい」という言葉が、私の受けた印象を表現するのにはぴったりだ。霧にかすむポン・ヌフ(セーヌ川にかかる橋)や、ギャングの下っ端、カフェでキスする男と女。どれもが闇を背負いつつ、自分の存在をはっきりと主張している。私も昔、一度だけパリの街を歩き回ったことがあるが、昼と夜とでは街を構成する人種が入れ替わったような感じがした。まさにその記憶がすっと蘇ってきたようだった。
もちろん、昼の街を写した作品もある。だが、歩道に行き倒れになった人を野次馬が取り囲み、やがて”回収”されていき、後には人のいなくなった通りだけになる、なんていう連作など、花の都とは言いがたい場面が多いのだが。その仲間に入るのだろうか、パリ中の落書きばかりを撮って集めた作品群もあった。ブラッサイさん、目の付け所が違います
という感じで、パリの別の顔を見せてくれた写真展だった。


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