HP Elite x3 は、パソコン変わりにもなるWindowsスマートフォン。ノートPCも、2-in-1ももう古い? [ガジェット : 面白いもの色々]
★ HP Elite x3とは
HP社主催の、製品紹介イベントに参加し、新製品の体験をしてきました。メインで見てきたのはHP Elite x3。公式サイトの説明によると、
「ポケット」 にPCのパワーをとのこと。
PCのパワーや生産性、タブレットの利便性や操作性、スマートフォンの接続性を、手のひらサイズのデバイス一つですべて手に入れる事ができます。HP Elite x3は、高速LTE通信に対応し、新しいワークスタイルを提案する、まったく新しいカテゴリの製品です。
つまり、Windows mobile OSを積んだスマートフォンです。SIMフリーで、ナノSIM(三種類あるサイズのSIMの中で、一番小さい奴)に対応しています。
Windows Phone、なかなか広まっていかないですが、HPさんはそれを打開すべく、「これはパソコンとして使えるんだ」という点を推そうと考えたようです。なるほど、Windowsが動いているわけですから、AndroidやiOS(iPhone)のための”互換”ツールではなく、ネイティブなアプリケーションを使える利点があります。あとは、キーボードやディスプレイなど、入出力関連をどうするかという話になるのでしょう。パソコンとして使うとなると、やはりキーボードは必須でしょうし、マウスでカーソルを動かすこともしたくなります。また、スマートフォンとしては大型のディスプレイではあるHP Elite x3ではありますが、Excelなんぞを使うときにはもっと大きな画面がほしいでしょう。
HTC J Butterfly HTL23と比べると、大きさはこんな感じ。スマートフォンとしては大画面なんですけどね。
ということで、Elite x3はパソコンに化ける拡張機能を備えているんです。
● ドッキングステーションによる拡張
ディスプレイ端子、USB端子を備え、外付けのディスプレイやキーボード、マウスをつないで使うことができます。使い方としては、オフィスや家庭にこのワンセットを揃えておき、外から戻ってきたらおもむろにElite x3を射し込んで使うという感じ。オフィスでノートパソコンをこんなスタイルで使っている人も多いのではないでしょうか。違うのは、取り外して持ち運ぶのがノートパソコンではなく、スマートフォンだということ。こんな感じで全てを繋げておけます。
前面と背面を一枚の写真に。家やオフィスに戻ったら、こいつにHP Elite x3を射し込んでGo !
● ノートドックによる拡張
もう一つの拡張の仕方がユニークです。この写真、ノートパソコンそのものに見えますが、実際はディスプレイとキーボードだけで、”中身”がありません。これだけでは動かないのです。そう、これの心臓部としてElite x3をつなげて使うんです。以前、Acerだったかな、やっぱりディスプレイとキーボードだけのセットに、スマートフォンを背面にハメるとノートパソコンになるという製品がありました。それと発想は同じ。移動中の電車の中ではスマートフォンとしてそのまま使い、カフェや訪問先のオフィスなどではこのノートドックにつないで普通のノートパソコンとして使う、そんなシーンが想定されるでしょう。
写真では有線でつないでいますが、ノートドック側にミラキャストの機能が実は搭載されているので、無線でも連携可能です。
また、ノートドックを使っているときに、Elite x3本体はタッチパッド(指でなでて、カーソルを動かすあれです)になるという優れもの。これはAcerの奴ではできない芸当でしょう。
● Elite x3の性能
パソコン代わりに使うとなると、それなりにパワーも必要。”モッサリ”としか動かないのではイライラしてしまいます。Elite x3は最新のCPUを積んでいて、ちょっと前のIntel i3もしくはi5程度の能力を持っているそうです。さすがに最新ノートパソコンには敵いませんが、充分なパワーを持っているのでありました。
公式サイトによると、詳しいスペックは以下の通り。
OS | Windows 10 Mobile |
サイズ・質量 | 161.8 mm x 83.5mm x 7.8mm、~195g |
CPU | Qualcomm Snapdragon MSM8996 with Adreno 530 GPU |
ディスプレイ | 5.96インチ、2560 x 1440 WQHD アクティブマトリクス型有機EL(AMOLED)ディスプレイ、最大494PPI.、最大550nit(cd/m2)、Corning Gorilla Glass 4、低反射コーティング、Apical assertive display、マルチタッチ(10点)、視野角 左85/右85/上85/下85° |
カメラ | 16MP LEDフラッシュ背面カメラ(PDAF)、8MP前面カメラ、2.4MP赤外線カメラ(網膜認証用) |
メモリ/ストレージ | 4GB LPDDR4 メモリー、64GB内蔵ストレージ(eMMC 5.1)、Micro-SDカードスロット |
通信 | 2G/3G/4G LTE対応WWAN機能、802.11 ac/a/b/g/nデュアルバンド、送信アンテナ2、受信アンテナ2、MIMO対応、Miracast対応)、Bluetooth 4.0+LE、NFC |
センサー | 周辺光センサー、近接センサー、加速度センサー、 ジャイロセンサー、デジタルコンパス、圧力センサ、ホール(磁気)センサー |
オーディオ | B&Oステレオスピーカー(最大1.2W)、ノイズリダクション対応内蔵マイク3基(全方位対応)、コンボステレオヘッドフォン/マイクジャック(3.5mm 4極) |
インターフェイス | USB 3.0 Type-C ポート(OTGサポート、ホスト/クライアント両モード、USB-C経由ディスプレイ出力サポート) |
セキュリティ | 網膜認証/指紋認証、fTPM 2.0、256 キーディスク暗号化、FIPS 140-2認証、BitLocker暗号化 (128キー)、VPN ? SSL |
バッテリー | 4150mAh バッテリー(リチウムポリマー、高耐久性)、無線充電(WPC(Qi)/PMA dual mode) |
バッテリー駆動時間 | スタンバイ500時間、通話50時間、ビデオ再生(720P、200nit)12時間 |
あと、HPの製品らしく、このHP Elite x3も、堅牢性や防水・防塵に関しては米軍の規格(MIL規格ってやつです : MIL-STD 810Gテスト)にパスしています。米軍はHPにとって大きな顧客ですから、そこの規格に対応するのは必須なのでしょう。そのお陰を一般向けでも享受できるという訳です。
「水に漬けても大丈夫」という実験も。あと、床にポンと落とす実演も。
● 残念ながら弱点も
さて、そんな優れた性能・機能のHP Elite x3ですが、残念ながらマイナス点も。私が感じた一番の弱点は、「ドックステーション(ノートパソコンみたいなディスプレイ&キーボード)」が思ったよりも重たいという点。がんばって大容量のバッテリーを積んだそうですが、それが仇になったのかな。これだと、普通のノートパソコンをもう一台持ち歩くのと変わらないでしょう。
● Elite x3はどこで買えるのか
とまあ、改良点はありそうなものの、Windowsフォンとして期待の持てる機種だと思います。スマートフォンとしてだけだとAndroidやiOS(iPhone)に追いつくのは至難の業。でも、パソコンとしても使えるという点では逆転できそうな気がします。法人向けはもちろん、個人としても、そんなにパワフルなパソコンを必要としない人向けとして、ノートパソコン、2-in-1(タブレットにもなるノートパソコン)に次ぐ、第三のカテゴリーとして使えそう。HP Directplus -HP公式オンラインストア-で9/5から販売開始予定。記念して10,000円引きのセールをするそうです。
オンライストアはこちら。
そのほかには、ヨドバシなどの家電量販店の一部で展開しているショップ イン ショップ、そして、二子玉川 蔦屋家電などでも順次、扱いをしていくそうです。
あと、販売ではなく展示のみなのですが、六本木のTSUTAYAで特設コーナーが9月いっぱい、設けられています。詳しくは下記URL先を見てください。
HP Premium FamilyポップアップストアOpen | TSUTAYA TOKYO ROPPONGI 六本木にある日本初のBOOK&CAFÉスタイルの書店
法人向けには「「法人のお客様トップページ」にリンクします」からどうぞ。
コメント 0