「英国ヴィクトリア朝絵画の巨匠 ジョン･エヴァレット･ミレイ展」

渋谷Bunkamuraで「ジョン･エヴァレット･ミレイ展」を観てきました。

開館時間の三分前、なんとBunkamura入り口には百人ほどの行列が！いやぁ、こんなに人気があるとは思わなかった。確かに、ポスターやチラシで使われている《オフィーリア》（シェイクスピアの戯曲『ハムレット』に登場する悲劇のヒロイン。恋人ハムレットに父親を殺されて正気を失い、小川で溺死する。その場面を描いた作品）はかなりインパクトのある作品だから、それで人気を呼んだのでしょうか。私もこの作品は前から好きでした。でも、ここまで人気だとは。
幸い、並んでいたほとんどの人はチケットを買う人たち。私は「ザ・ミュージアム フレンズ」で前売り券を買っていたので、すんなり入ることができた。

ジョン･エヴァレット･ミレイは十九世紀英国の画家。革新的芸術運動の中心的役割を担い、画壇をリードした人。耽美主義的な作品、ベラスケスやラファエロをトリビュートしたもの、美少女をモデルにしたFancy Pictures（今風に言えば萌え系ですね）、肖像画、そしてスコットランドの風景画。彼の作風は多岐に渡っていて、次々と新しいものを生み出していった感じだ。この展示会はそんなミレイの全容を語る回顧展になっている。
さて、そんなミレイの作品だが、オフィリア以外は実はよく知らなかった。なので、今回が初めてというものばかり。なのでどれも第一印象としての感想になってしまう。モデルにきっちりとポーズをとらせて描いたって感じ。火事の場面を描いた「救助」など、かなり劇的なシーンの割には人物の表情に乏しい。そういえば、「オフィーリア」の彼女の顔も無表情と言えばその通りだろう。彼女の場合は死せるものの顔なのだからそれがぴったりしているのだが、ほかの場面だとちょっと違和感が。
でも、少女をモデルにしたFancy Picturesの作品群には安心した。彼女らはモデルとなった緊張感は感じられるものの、それなりの表情を持っている。「ローリーの少年時代」の少年もいい感じの顔だ。なんだ、できるんじゃないのミレイさん！
と考えると、いろんな画風を操れたミレイさん、やはり才能にあふれていたんですね。ということで、きっと自分好みの作品が見つかるぞ、という感じのミレイ展でした。

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★会期：2008年8月30日（土）－10月26日（日） 開催期間中無休
★開館時間：10:00－19:00（入館は18:30まで）
　　　　毎週金・土曜日21:00まで（入館は20:30まで）
★入館料（税込） 一般1,400円、大学・高校生1,000円、中学・小学生700円

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ラファエル前派―ヴィクトリア時代の幻視者たち (「知の再発見」双書)

• 作者: ローランス デ・カール
• 出版社/メーカー: 創元社
• 発売日: 2001/03
• メディア: 単行本

タグ：Bunkamura

コメント 6

３分前で１００人の行列ですか。
前評判通りの人気ですね。
生のオフィリアを見たいです！
劇場では見られない美しさでしょうね。
涼しくなってきたので、ぶんじん様もますますご活躍ですね。
今後の放浪も楽しみにしています。

by ｍａｍｉｒｅ (2008-09-16 20:37) 

ジョン･エヴァレット･ミレイ、恥ずかしながら知りませんでしたが、「オフィーリア」は見た事あります。（もちろん本物でなく）
開館前に行列が出来るんですねー。すごいなあ。
「落穂拾い」はミレー違いでした。危ない危ない(^^;
by HEIJI (2008-09-16 22:41) 

mamireさんへ：
「オフィリア」に関しては、ここに描かれている花々に関して詳しい説明がパネル＆映像でなされていました。花言葉を読み解いていくと、うむなるほど、と唸っちゃいますよ、きっと。

HEIJIさんへ：
本物、生々しすぎるかも。でも、こんな風に花の中で美しく最後を迎えるの、ちょっとだけ憧れちゃいます。
by ぶんじん (2008-09-18 22:42) 

前売りは大事ですよね！チケット売り場に１００人も並んでいたってことは中は混み合っていたのでしょうか？昔、何とかかんとかさんの（思い出せない！！）不思議絵みたいなやつを見に行ったことがあるんですけど、あまりに人が多すぎて全然ゆっくり観賞できなかったのを思い出しました。画家さんの名前は思い出せないですけど…

by リカ (2008-09-19 02:11) 

リカさんへ：
画家の名前は、よっぽど気に入った人でないとなかなか覚えられませんね。不思議な絵、誰だろう？M. C. エッシャーかな？それともルネ・マグリット？
by ぶんじん (2008-09-22 19:35) 

エッシャーです！あ～すっきりした（笑）あの絵を見てると絵の中に引きずり込まれるような感覚に陥りますよね☆
by リカ (2008-09-24 00:13)