SSブログ

「世界報道写真展2005」 [美術 : 美術展、写真展紹介]

恵比寿ガーデンプレイス東京都写真美術館に「世界報道写真展2005」を観にいってきた。まずは受付で「友の会」入会の手続きをする。これは年会費2000円(個人会員の場合)で、収蔵展が無料、企画展が割引になるのだ。他にも、先日
の「ジェームス・アンソール展」を観にいった東京都庭園美術館や、東京都美術館でも割引サービスが受けられる、お得さだ。と言うことで、今回も団体割引料金(20%オフ)となった。
1955年創設の非営利団体"World Press Photo"は、オランダに本部を置き、世界中の報道写真家の活動を支援している。その会が選んだ優秀作品がこの展示会の作品群だ。スポット・ニュースの部、ニュースの中の人々の部、スポーツ・アクションの部、ポートレートの部、アート&エンターテインメントの部、現代社会の問題の部、自然の部と、テーマごとの選出となっている。報道の名の通り、どの作品も観る者にそのテーマを訴え、「どう思う?」、「何を感じる?」と問いかけてくる。いきなり、スマトラ沖地震の津波被害の写真だ。瓦礫の中に呆然として立ちすくむ女性。死臭に顔をしかめながら遺体の捜索(?)をする男たち。次は北オセチア共和国(どこにあるのか、私は正確には知らない国だ。。。)の学校占拠事件の連作だ。そしてその次は、アフリカで起きた「民族浄化」の被害者達。三日も荒野を歩いて逃げてきた老婆や、何人にもレイプされた少女。世界は相変わらず悲しみに満ち溢れている。中国の工場の風景も別の意味で心をゆすぶられる。女工哀史の世界さながらの光景が広がっている。狭い部屋に押し込まれて暮らす工員たち。手や足を、何かの作業でなくしてしまった男達が七、八人並んでいる。さすがに笑うでもなく、表情なく立っているだけ。
世界中の人々が”平等”に、という訳には行かないのかもしれないが、過去の過ちを教訓にすると言うのは、もう少しできないものだろうか。このような写真展があるたびに、もっと多くの人がここから何かを考えればいいのに、と思う。だが、残念ながら知識の伝播は遅いし、人々への定着はまれだ。だからこそ、このように伝え続ける努力が必要なのだろうが。ガーデンプレイスの一角と言う場所柄、デートのついでに訪れる人も多いようだ。そんな中、重たいテーマに耐え切れずに、途中で出て行った二人がいた。重たい気分になったと言うだけでも、彼らには伝わったと言うことなのかな。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(2) 
共通テーマ:アート

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 2

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。