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「すべての犬は天国へ行く」悲劇と喜劇は狂気となって。伊藤万理華、意地悪役を熱演 [演劇の感想]

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★ あらすじ

とある西部(劇)の村、一軒の宿屋が舞台。そこは娼婦たちが詰めている売春宿だ。宿の主人は“店の改装の相談”で出掛けたまま留守。娘姉妹二人と、使用人母子で宿を切り盛りしている。宿に来るお客と言えば、どうして保安官の父が殺されたのか理由を聞き回る娘や、暴れて宿の備品を壊した旦那の代わりに謝りに来る奥さん、不良娘三人組、急患の知らせを持って医者である夫を探す夫人、父の敵を捜し回る女ガンマン(ガン・ウーマン?)などなど。それに娼婦たちも加わって、宿の一階のバーは賑やかだ。
だが、何かがおかしい。男たちはみんな出掛けていたり、殺されたり、行方知らずだったりして、誰一人として姿を見せない。宿にいるのは女ばかりだ。そして、宿の女たちの隠された狂気が徐々に染み出してきて、次々と事件が起こっていく。

婚約して村から出て行ったはずの娼婦がいた。だが、彼女は村を出て行くことはできなかった。出ていこうとした時、殺され、宿のタンスに詰め込まれてしまったのだ。なぜ、彼女は殺されたのか。村を出て行こうとしたから。村の秘密が外部に漏れるのを誰かが防ごうとしたか。
そう、それは悲劇の始まりでしかなかった。彼女たちは次々と。。。だが、不思議なのは残った女たち。消えた仲間のことをそれほど気にかけていないようなのだ。一体、彼女たちに何が起きているのか。そして、彼女たちは何を考えているのか。この村はどうなっているのか。

愛犬を誰かに射殺された使用人の娘は、犬のために墓穴を掘りに出ていった。

★ キャスト&スタッフ

  • 出演 : 生駒里奈、伊藤万理華、井上小百合、斉藤優里、桜井玲香、新内眞衣、松村沙友理、若月佑美、東風万智子、猫背 椿、柿丸美智恵、ニーコ、山下裕子、鳥居みゆき、甚古 萌、音 華花、榎本美鈴、谷松香苗、伊藤桃花、山田琴美
  • 演出 : 堤 泰之
  • 脚本 : ケラリーノ・サンドロヴィッチ

★ 感想

お気に入りの乃木坂46のメンバーが出演する、そしてなにより“推しメン”であり、映画「アイズ」での演技が素晴らしかった(「「アイズ」 :ホラーと言うより、ヒューマン・サイコ・ミステリー。切ない話に仕上がってます」)伊藤 万理華が出ていると言うことで、しっかりと観てきました。

と、動機はそんな感じだったのですが、普通に面白かった。これまで芝居を観ることってそんなになかったので(生まれてから今までに十回くらい?)、一般的なレベルとしてどうなのかは比較ができません。が、話の筋が良くできていて、見入っちゃいました。演劇素人の私でも名前だけは知っていたケラリーノ・サンドロヴィッチさん、流石です。他の芝居も観てみたくなりましたよ。
まぼろしの市街戦」のような、現実と虚構が入り交じるような世界観は、頭の中を揺さぶられ、不安にさせられます。そして鳴り響く銃声(西部劇ですからね)。みんな、自分のことしか考えず、でも、“村の掟”は共同で守っていくために殺し合う。うむ、悲劇と喜劇、そして狂気の世界。。。。

そして、そして万理華嬢、いい芝居をしていました。意地悪な宿屋の娘の役で、使用人母子を見下し、無茶なことをやらせる。憎まれ役はとことんイヤな奴、と思われないとダメ。彼女はファンから観ても「意地悪な娘だなぁ」と思っちゃうくらいに役に徹してましたよ。意地悪娘が憑依したんじゃないかってくらい。鳥居みゆきのエキセントリックな芝居にも負けてなかったかも(これはファンの贔屓目か)。良い女優さんになりますよ、きっと。これからの活躍にも期待してます。

★ 公演情報


★ 原作本


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