3.駒うち体験(しいたけの種菌植え付け作業) : 新燃岳噴火災害復興祈念植樹ツアー [旅行 :旅日記]
*旅の主旨と記事の目次はこちらを見てください。
蕎麦や天ぷらをいただいて腹ごしらえをした後、一行を乗せたバスはローカル線(単線ですね、これ。何線なんでしょう?)沿いに山間に向かって進みます。これから行くのは椎茸栽培農家。農業体験その二、です。
山の麓の道は大型バスが入っていけない狭いところ。どんな場所なのだろうとバスを降りると、菜の花がお出迎え。
おっと、気を許してはいけません!?近くにジェイソンが潜んでいるかも????
ではなく、事前に丸太の原木を用意してくれていたのでした。
その原木一本ずつに五十個ほどの穴が開けられています。そこに金槌を使って種菌を打ち込んでいくんです。
種菌は「種ごま」と呼ばれるそうです。こんな感じで袋入りで売っているとのこと。大昔は原木を外に置いておいて、自然に椎茸菌が付くのを待っていたのだとか。それではいつ生えてくるか、どの程度生えるか全くの自然任せ。この種ごまは工場生産品で品質も確か。お蔭で一定の収穫が望めるようになったのでした。で、この種ごま、一個一円二十銭。これ五百個入りだったかな、いや千個だったかも。
などなど、そんな話を椎茸農家の方にお聞きしながら、さらには作業指導もしてもらったのでありました。
写真だとちょっと分かりにくいかも知れませんが、種菌は弾丸のように片方がちょっとすぼんでいて、そちら側を穴に手で挿します。手で挿したのでは1/4ほどしか入っていきません。
金槌でとんとんと三、四回たたいてできあがり。完全に埋め込む感じになります。五十個の穴全部に種ごまを打ち込むと、慣れない作業に手首がぷるぷるしてきちゃいます。
種ごまを植え付けた原木を立てて並べ、その上から乾燥防止のためにこの枝葉をかけて覆い、完成。我々は植え付けまでで、その後の原木運びや枝葉かけは本業のみなさんにお任せでした。
種ごまを植えてから椎茸が生えてきて収穫できるまでに二年間かかるそうです。その後は毎年、勝手に椎茸が生えてきます。というのも、椎茸菌が丸太の中で繁殖し、出てくるから。でも、五年くらいで椎茸菌は原木の栄養を吸い尽くしてしまい、それでおしまい。その時には丸太はすかすか・ぼろぼろになっていて、手で崩れるくらいだとか。椎茸の力、恐るべし。
植えてから翌年ではまだ収穫はできない。つまりは最初の二年間はコストだけがかかって収益のない状態。キャッシュフローは大赤字です。ところが、昨年は新燃岳噴火の降灰でこの辺りの椎茸は全滅。収穫量は0だったそうです。復興のためにこうやって今から植えても、収穫は二年後。その間の収入はどうするんでしょう。。。厳しい話です。
そんなお話をしていただけた椎茸農家の方。軽々しく「がんばってください」なんて言えませんでした。「うーん、大変ですね。。。」としか返せなかったなぁ。今回の旅を通して最も「災害」の大変さを意識した話でした。
作業が終わって引き上げる時、それまで何とかもっていた空から雨がぽつぽつ。こんな気分の時は雨もいいものですね。
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蕎麦や天ぷらをいただいて腹ごしらえをした後、一行を乗せたバスはローカル線(単線ですね、これ。何線なんでしょう?)沿いに山間に向かって進みます。これから行くのは椎茸栽培農家。農業体験その二、です。
山の麓の道は大型バスが入っていけない狭いところ。どんな場所なのだろうとバスを降りると、菜の花がお出迎え。
おっと、気を許してはいけません!?近くにジェイソンが潜んでいるかも????
ではなく、事前に丸太の原木を用意してくれていたのでした。
その原木一本ずつに五十個ほどの穴が開けられています。そこに金槌を使って種菌を打ち込んでいくんです。
種菌は「種ごま」と呼ばれるそうです。こんな感じで袋入りで売っているとのこと。大昔は原木を外に置いておいて、自然に椎茸菌が付くのを待っていたのだとか。それではいつ生えてくるか、どの程度生えるか全くの自然任せ。この種ごまは工場生産品で品質も確か。お蔭で一定の収穫が望めるようになったのでした。で、この種ごま、一個一円二十銭。これ五百個入りだったかな、いや千個だったかも。
などなど、そんな話を椎茸農家の方にお聞きしながら、さらには作業指導もしてもらったのでありました。
写真だとちょっと分かりにくいかも知れませんが、種菌は弾丸のように片方がちょっとすぼんでいて、そちら側を穴に手で挿します。手で挿したのでは1/4ほどしか入っていきません。
金槌でとんとんと三、四回たたいてできあがり。完全に埋め込む感じになります。五十個の穴全部に種ごまを打ち込むと、慣れない作業に手首がぷるぷるしてきちゃいます。
種ごまを植え付けた原木を立てて並べ、その上から乾燥防止のためにこの枝葉をかけて覆い、完成。我々は植え付けまでで、その後の原木運びや枝葉かけは本業のみなさんにお任せでした。
種ごまを植えてから椎茸が生えてきて収穫できるまでに二年間かかるそうです。その後は毎年、勝手に椎茸が生えてきます。というのも、椎茸菌が丸太の中で繁殖し、出てくるから。でも、五年くらいで椎茸菌は原木の栄養を吸い尽くしてしまい、それでおしまい。その時には丸太はすかすか・ぼろぼろになっていて、手で崩れるくらいだとか。椎茸の力、恐るべし。
植えてから翌年ではまだ収穫はできない。つまりは最初の二年間はコストだけがかかって収益のない状態。キャッシュフローは大赤字です。ところが、昨年は新燃岳噴火の降灰でこの辺りの椎茸は全滅。収穫量は0だったそうです。復興のためにこうやって今から植えても、収穫は二年後。その間の収入はどうするんでしょう。。。厳しい話です。
そんなお話をしていただけた椎茸農家の方。軽々しく「がんばってください」なんて言えませんでした。「うーん、大変ですね。。。」としか返せなかったなぁ。今回の旅を通して最も「災害」の大変さを意識した話でした。
作業が終わって引き上げる時、それまで何とかもっていた空から雨がぽつぽつ。こんな気分の時は雨もいいものですね。
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家庭でできるキノコつくり―原木栽培で楽しむ (コツのコツシリーズ)
- 作者: 大貫 敬二
- 出版社/メーカー: 農山漁村文化協会
- 発売日: 2007/07
- メディア: 単行本
「頑張ってください」・・・
東日本大震災の時にも この言葉には様々な意見がありましたよね。
子どもが小学生のころ、チョットしたいじめに遭ったことがありまして、その時に担任の先生から
「〇〇さんはとっても頑張っているので、
これ以上頑張れとは言わないでください」と言われたことがあり、
以来、「頑張って」という言葉の使い方には
とても慎重になったように思います。
種菌植え付け、お疲れさまでした。
by 東雲 (2012-03-19 14:48)
東雲さんへ:
ちょっと話をするくらいではなかなか伝わらない・伝えられないものかもしれません。でも、つかのまでも一緒に農作業をしたことで少しは近づくことができたのかも知れません。いや、そう思いたいですね。
by ぶんじん (2012-03-19 22:46)